ショアジギングで使うリーダーと言えば「フロロカーボン」というのが多数派です。
- 根ズレに強いから
- 感度が良いから
確かにそうです。しかし通説だけで他の選択肢を捨てるのは非常にもったいないように感じます。なぜなら魅力的なリーダーがどんどん開発され、アングラーが重視したい点やスタイルに合わせて使い分けできるようになっているからです。
そこでこの記事では、あらためて現代のリーダーの種類について整理し、選び方のコツについても解説していきます。
読んでいただければ、自分に合ったリーダーを見つけることができるようになると思いますのでぜひ最後までお付き合いください。
リーダーの基礎知識から知りたい方は「ショアジギングのリーダーを徹底解説」をご覧ください。
リーダーの素材は3種類
現在ショックリーダーに使用されている素材は以下の3種類です。
- ナイロン
- フロロカーボン
- ナノダックス
それぞれ特徴を解説します。
ナイロンの特徴
- しなやか
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巻き癖がつきにくく、もし癖がついてもしごけば元通りになる柔軟性があります。この点はフロロにはない特性です。
- 比重が軽い
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比重は1.14と軽い素材のため、非常にゆっくり沈んでいきます。これもフロロにはない特徴となります。
- 伸度が高い
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伸度は約27%とライン素材の中で最も伸びがあります。よって衝撃吸収に優れ、引っ張り強度も高くなります。
- 耐摩耗性が高い
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ナイロンだから根ズレに弱いということはありません。VEPや耐摩耗ショックリーダーなどを試しに擦ってもらえればすぐわかると思います。
ナイロンvsフロロみたいな話ではなく、商品ごとに特徴があって多様化してると思っていただけたらと思います。
因みにナイロンリーダーが切れる時は、根ズレにより表面の保護コーディングが剥がれ縮れるように破断します。
フロロの特徴
- ハリがある
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ナイロンとは正反対で針金のようなハリがあります。柔軟性に欠けるため癖がつきやすいラインです。
- 比重が重い
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比重は1.78と最も重いという性質があります。沈下速度はナイロンの約2倍となります。
- 伸度が低い
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伸度は22%とPEに次ぐ低さとなります。感度に優れフッキングパワーがロスなく伝わります。
- 耐摩耗性が高い
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硬いラインのため、擦れによって表面が削れても残った部分で持ち堪えるのが特徴です。しかし、硬いものが切れ目に当たると折れるように断線します。
先ほどお伝えした通り、ナイロンとどちらが強いということではなく、切れ方に違いがあります。共通して言えるのは何度も擦れることが原因ですから結局はラインコントロールが一番重要ということになります。
- 吸水しない
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海水を吸いませんので劣化しにくいという性質があります。
ナノダックスの特徴
簡単に言うとナイロンを改良したラインです。分子の隙間を粒子で結節させて作られています。
- しなやか
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ナイロンがベースだけあってしなやかな特性を持っています。巻き癖が少なく扱いやすいです。
- 比重が軽い
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比重1.14とナイロンと同程度の重さですから、ゆっくりと沈下していきます。
- 伸度が低い
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ナイロンベースでありながら伸度は約22%とフロロと同程度の数値となります。
- 耐摩耗性
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耐摩耗処理が施されていないラインと比較して4倍の耐力があります。
- 引っ張り強度が高い
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ナイロンやフロロの同号数と比べて約17%アップしています。
- 結節強度が高い
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結び部分の強度はナイロンやフロロと比較して40%アップしています。結束による強度低下が大幅に改善されたラインと言えます。
各素材の特徴は以上です。
ライトショアジギングのリーダーはナノダックスがおすすめ
冒頭でもお伝えした通り、本記事は「シチュエーションやスタイルに応じてリーダーを使い分けていくのが理想」という趣旨ではありますが、私個人としてはLSJするならナノダックスはメインリーダーになり得ると考えていますので、その辺りについてお話したいと思います。
- ノットが安定する
- フッキングの確度と魚へのプレッシャーがアップ
- キャッチ率の向上
ノットが安定する
「PEラインとの結束がしやすい」というナイロンの特性を受け継いでいます。
ショアジギングではノットの強さが求められますから、この点アングラーとしては安心感があります。
また結節強度が高いという性質もあるためリーダーとソリッドリング部分の結束も強固になり、ラインシステム全体の強化に一役買ってくれます。
PEとリーダーの強力なノットについて知りたい方は「ショアジギング向きなリーダーの結び方」をご覧ください。
リーダーとソリッドリング(ジグ)のノットについて知りたい方は「ショアジギングに最適なリーダーとジグの結び方」をご覧ください。
フッキングの確度と魚へのプレッシャーがアップ
フロロと同じ低伸度のため、感度が良くフッキングパワーのロスもありません。また引張強度が高いこともあり、多少強引なやり取りをしてもラインブレイクはしにくくなっています。
伸度が低下したということはショックは吸収し辛くなりますが、その点はロッドでフォローできますし曲げることができるため魚へのプレッシャーは掛けやすくなります。
よってML~Mほどの柔らかめなロッドとの相性が特に良いように思います。
キャッチ率があがる
ライトタックルの場合、不意に大物がかかると止めきれないことがありますが優れた耐摩耗性によって耐え忍ぶことができます。またしなやかな特徴のおかげでロングリーダーしてもライントラブルが発生しにくいですから、その点でも根ズレへの耐性が全体的に上がります。
以上3点から、ナノダックスはLSJのメインリーダーとしておススメだと考えています。
スタイルやシチュエーションごとのおすすめリーダー
ここからはスタイルやシチュエーションに合わせたリーダーの使い分けについて解説します。私の主観も含みますから参考程度にご覧になってください。
トップウォータープラグを多用する
ダイビングペンシルやポッパーをゲームに組み込む方はナイロンかナノダックスが良いと思います。
理由としては浮力が必要だからです。リーダーが重たいとプラグの浮き姿勢が崩れ、正しいアクションができなくなります。
リーダーに浮力があればポーズアクション中に水中に引っ張られることがありませんのでトップの操作性を保つことができます。
あとはこれに伸度が必要ならナイロン、不要ならナノダックスという選択になります。この点は次項で触れます。
ヘビータックルを使用する
PE2号タックルあたりからは高伸度のナイロンリーダーが適していると考えています。
なぜならロッドが硬くなってくるとリーダーでショックを吸収する以外に手がないからです。タックル全体で衝撃吸収が低下すると
- バイトがあっても食い込まず弾く
- バイトの瞬間、フッキングと魚の反転による強烈な負荷で高切れする恐れがある
- ランディング中や足元での接近戦でバラす危険がある
といったリスクを負うことになります。よってヘビータックルならナイロンが基本だと思います。
レンジを上げたくない
中層や底を中心に攻略したい場合はフロロカーボンが適しています。比重が高いフロロによりルアーの浮き上がりを抑えることができるからです。
- ミノー
- シンペン
- スロー系ジグ
これらのルアーを中心としたゲームをする場合はマッチするリーダーと言えるでしょう。
またミノーやシンペンはジャーキングやトゥイッチを使用しますが、その際ハリのあるフロロカーボンであればトリプルフックへの絡みも抑制できますので、この点でも相性が良いように思います。
リーダーの太さ(号数)の選び方
リーダーの太さについてはさほど難しく考える必要はありません。
メインライン(PE)の号数×20=リーダーのポンド数(号数)
基本的にはこの計算式に基づいて選べば良いと思います。例えば使用しているPEが1号なら
1号×20=20lb(5号)という具合です。
リーダーの号数を上げるとき
根が荒い場所や歯物系の魚を狙うときはキャッチ率を重視して号数をあげます。その際は基本のポンドからプラス10lb~20lbまでを目安にすると良いでしょう。
ただPEとの太さがあまりに開いてしまうとライントラブルに繋がりますから注意してください。
なお根ズレ対策としてはリーダーの長さを変えるというのも有効な手となります。詳しくは「ショアジギングに使うリーダーの長さを最適化する方法」をご覧ください。
リーダーの号数を下げるとき
あまりおススメはできませんが、根掛かり対策として号数を下げるという考え方もあります。
特にショアスローなどのボトム中心に攻めるゲームは根掛かりが付き物です。号数が高いと切るのに苦労したり高切れして、ノットを組み直す手間が発生することがありますので、これを回避するためにある程度切れやすい号数に抑えておくということです。
しかし、ルアーロストやそれに伴う環境破壊を前提としてますのでよく考えた上で選択してください。
ショアジギングにおすすめなリーダー4選
最後に私がおすすめするリーダーを4つご紹介します。どれもデメリットを改善した素晴らしいラインですので参考にしてください。
ナノダックス:サンヨー ナノダックスショックリーダー
ナノダックス素材のリーダーはこちらの商品1択となります。
LSJをされている方はこの素晴らしいラインを一度お試しになってください。
ナイロン:ヤマトヨテグス 耐摩耗ショックリーダー
このラインの耐摩耗性は想像を超えています。普通のフロロカーボンとは比べ物になりません。
高伸度としなやかさ、耐摩耗性を意識するならこれほどハマるリーダーはないと思います。
ナイロン:バリバス オーシャンレコード
ビッグゲームをするならこのナイロンがおススメです。オフショア用とありますがショアからでも全く問題ありません。
ノットの締め込みやすさ、糸抜けのよさ、強度のすべてがハイクオリティ。数々の実績も積んでおり信頼できるリーダーです。
フロロ:クレハ シーガープレミアムマックス
フロロを使用するなら最有力のリーダーです。
ナイロンかと思うほどのしなやかさでノットの組みやすさはフロロ随一です。
ショアジギング用おすすめリーダー:まとめ
本記事の内容をまとめると
- リーダーの素材は3種類ある
- LSJならナノダックスをおすすめ
- 使用するルアーやレンジによってリーダーは使い分ける
- 太さはPE号数×20が基本
- おすすめリーダー4選
となります。
リーダーの使い分けができるようになれば
- ルアーの操作性向上
- タックルバランスの向上
- キャッチ率がアップ
と多くのメリットが得られます。本記事を参考に是非ご自身のシステムに取り入れていただけたらと思います。
あなたにおススメの記事です。