堤防でのショアジギングに慣れて(飽きて)くると、ロマンを求めてロックショアゲームに挑戦しようと思うのは至極当然の流れだと思います。
それに伴ってどんなロッドなら通用するのか気になっている方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
そこで本記事では以下について解説します。
- ロックショア専用ロッドが必要な理由
- ロックショアロッドを選ぶポイント
- ロックショアロッドおすすめ品の紹介
これから始めようとする方はもちろん、既にやっているけど買い替えを検討中の方にも参考になる内容かと思いますので是非最後までお付き合いください。
関連記事:ロックショアの装備
なぜロックショア専用ロッドが必要なのか
ロックショアゲームを制するためには必ず専用のロッドが必要です。
なぜ専用じゃないとダメなのかというと主導権を握り続けるためです。
主導権というのはファイト中に限った話ではありません。
- 強風下でもキャストフィールがシャープ
- 波気や潮流があってもルアーの操作性に優れる
- 安定した状態で魚にプレッシャーをかけれる
つまり「ルアーを投げて、操作して、魚を掛けて、ランディングするまで」のすべての状況をコントロールできるということです。
ロックショアゲームというそもそも人間にとってかなり不利な状況において主導権を握るためには、このようなハイバランスな専用ロッドが必要になります。
このあたりについては次項より深掘りしていきます。
ロックショアロッドを選ぶポイント
ロックショアを制するロッドを選ぶポイントは以下の4つです。
- ロッドの硬さはPE4号以上が扱えるもの
- 反発力が強くしなやか
- 高い操作性とシャープなティップ
- プラッキング重視ならPSモデル
それぞれ詳しくみていきましょう。
ロッドの硬さはPE4号以上が扱えるもの
ロッドのパワーについてですが、PE4号以上に適合しているモデルを選びます。(アルファベット表記にしてしまうとメーカーによってズレが生じるため)
というのも、恐らくロックショアを始める方は5~10㎏クラスの魚を想定していると思いますが、このサイズをサクッと獲るのに必要なドラグ負荷が5~8㎏だからです。
PE強度は(結束による強度低下も考慮して)ドラグ設定の3倍を目安にしますので、ここから逆算すると4号に適合しているロッドが丁度よいということになります。
因みにロッドを曲げた状態のドラグ8㎏というのは標準体型の方がバランスを保てるかどうかという数値なので、そういった意味でも4号タックルはひとつの目安となるでしょう。
もちろん、リールもこれらのラインが十分巻けるものを選ぶ必要があります。
関連記事:ロックショアのおすすめリール
反発力が強くしなやか
ここで言う反発力が強いというのは曲がったロッドが元に戻る力が強いという意味で「粘り強さ」と表現されています。
一方で「しなやか」というのはストロークのことで一言で言うと「よく曲がる」ということです。
なぜなら、しなやかに曲がることでアングラーが体勢を崩すことなく溜めが効き、耐えているだけで強い反発力によりロッドが魚を浮かしてくれるからです。
このあたりについてはメーカーの技術特性だけでなく使用しているカーボンの質が影響してくるため値段もそれなりに上がってきますが、本格的にロックショアをする上では外せないポイントかと思います。
高い操作性とシャープなティップ
高い操作性というのはジグをパワーロスなく跳ねさせるハリはもちろんですが、プラグが扱いやすい「しなやかさ」あるということです。
またシャープなティップはキャスト後におけるティップのブレの少なさをもたらし、飛距離アップや疲労軽減につながります。
これらがハイバランスに仕上がった「欲張りティップ」が求められます。
プラッキング重視ならPSモデル
プラグを中心にゲームを組み立てるのであればプラッキングスペシャル(以下PS)モデルがおススメです。
私はコルトスナイパーエクスチューンの100hと106hPSをメインで使用しているのでよく感じるのですが、やはり専用モデルの操作感は別格です。
一方デメリットとしてはティップのハリを落としている分、ジグの操作感はダレた感じなることです。
バーサタイル系とPS系それぞの操作感をイメージするとこんな感じです。
種類 | ジグの操作性 | プラグの操作性 |
---|---|---|
バーサタイル | 〇 | 〇 |
PS | △ | ◎ |
最初の1本を探している場合は別として、2本目を検討中の方やプラッキングが好きな方はPSモデルを検討してみてはいかがでしょうか。
ロックショアロッドおすすめ7選
ここから、これまでにお話してきたポイント踏まえつつおススメのロッドを6種紹介していきます。
- シマノ:コルトスナイパーエクスチューン
- アピア:グランデージ アトラス ブルーランナー
- ヤマガブランクス:ブルースナイパー
- がまかつ:ラグゼ ショアゴリラR
- ジャンプライズ:バックアッパー
- パームス:サーフスター Jカスタム
それぞれ見ていきましょう。
シマノ:コルトスナイパーエクスチューン
出典:shimano
全体的にバランスが非常によいロッドですが、特にファイト中の安定感に優れます。
8~10㎏クラスでしたら溜めておくだけで勝手に浮いてくるのであとは巻くだけでOKです。
あと継部分に採用されているスクリューロックジョイントですが釣行中に緩んだりズレることはほぼ無りませんから、いちいち気にする必要がなくなります。
以下ラインナップの抜粋です。(適合PE4号以上のモデルのみ記載)
型番 | 全長(ft.) | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | 先径(mm) | ジグウェイト(g) | プラグウェイト(g) | 適合ラインPE(号) | 最大ドラグ(kg) | 最大ドラグ角度(°) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
S100MH | 10,0 | 3.05 | 2 | 157 | 309 | 2.6 | MAX90 | MAX70 | MAX4 | 6 | 45 |
S106MH/PS | 10,6 | 3.2 | 2 | 164.5 | 317 | 2.6 | MAX90 | MAX70 | MAX4 | 6 | 45 |
S100H | 10,0 | 3.05 | 2 | 157 | 334 | 2.7 | MAX120 | MAX100 | MAX5 | 8 | 45 |
S106H/PS | 10,6 | 3.2 | 2 | 164.5 | 356 | 2.7 | MAX120 | MAX100 | MAX5 | 8 | 45 |
S100XH | 10,0 | 3.05 | 2 | 157 | 361 | 2.8 | MAX150 | MAX120 | MAX6 | 10 | 45 |
S106XH/PS | 10,6 | 3.2 | 2 | 164.5 | 385 | 2.8 | MAX150 | MAX120 | MAX6 | 10 | 45 |
S98XXH | 9,8 | 2.95 | 2 | 152 | 369 | 3.0 | MAX180 | MAX150 | MAX8 | 12 | 45 |
シマノ:コルトスナイパーリミテッド
出典:shimano
シマノのロックショアロッドの最上位となる本機。
エクスチューンの譲りのスムーズな曲がりと復元力、安定感はそのままにキャストフィールと機能性が大幅に向上しています。
- ライントラブルを減らし、飛距離を向上させる小口径ハイフレームガイド
- リールフットのガタツキやズレを防止するロングナット
- キャストや腰当てファイトに役立つ特殊形状のエンドグリップ
シャープなデザインからは想像できないパワーを秘めており、溜めているだけで魚が簡単に浮いてきます。
また重量的にはエクスチューンより増加しているものの、それを感じさせない謎の軽さがあったりとフラッグシップモデルに恥じない性能の高さがビシビシ伝わってくるロッドです。
以下ラインナップです。
型番 | 全長(ft.) | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | 先径(mm) | ジグウェイト(g) | プラグウェイト(g) | 適合ラインPE(号) | 最大ドラグ(kg) | 最大ドラグ角度(°) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
S100MH | 10,0 | 3.05 | 2 | 156.6 | 345 | 2.4 | MAX90 | MAX70 | MAX4 | 6 | 45 |
S100H | 10,0 | 3.05 | 2 | 156.7 | 363 | 2.6 | MAX120 | MAX100 | MAX5 | 8 | 45 |
S106H/PS | 10,6 | 3.2 | 2 | 164.3 | 375 | 2.6 | MAX120 | MAX100 | MAX5 | 8 | 45 |
S98XH/JS | 9,8 | 2.95 | 2 | 151.6 | 361 | 2.8 | MAX150 | MAX120 | MAX6 | 10 | 45 |
S104XH/PS | 10,4 | 3.15 | 2 | 161.8 | 386 | 2.6 | MAX150 | MAX120 | MAX6 | 10 | 45 |
S100MH-3 | 10,0 | 3,05 | 3 | 116,7 | 348 | 2.4 | MAX90 | MAX70 | MAX4 | 6 | 45 |
S100H-3 | 10,0 | 3,05 | 3 | 116,7 | 361 | 2.6 | MAX120 | MAX100 | MAX5 | 8 | 45 |
S100XH-3 | 10,0 | 3,05 | 3 | 116,7 | 375 | 2.8 | MAX150 | MAX120 | MAX6 | 10 | 45 |
アピア:グランデージ アトラス ブルーランナー
出典:APIA
続いて紹介するのがグランデージの後継にあたる「アトラス」シリーズ。
東レ第3世代の「T1100G」マテリアルを搭載したことで強靭な粘りと最強と言われる引張強度と弾性を備えています。
また小キズから保護してくれるフィニッシュ「シールドテック」が施されていますので、よりロックショア向けに進化しています。
棒のようなゴツイ見た目からは想像がつかないほど、「溜め」が効くロッドです。
以下ラインナップの抜粋です。
型番 | 全長(ft.) | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | 先径(mm) | 元径(mm) | ジグウェイト(g) | プラグウェイト(g) | 適合ラインPE(号) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
100H | 10,0 | 3.05 | 2 | 156,8 | 315 | 2,6 | 14,8 | MAX100 | MAX80 | 2-4 |
100HH | 10,0 | 3.05 | 2 | 156,8 | 340 | 2,8 | 16,1 | MAX120 | MAX100 | 3-6 |
106HH/PS | 10,6 | 3.20 | 2 | 164,5 | 375 | 2,7 | 16,5 | MAX120 | MAX100 | 3-6 |
105HHH/PS | 10,5 | 3.175 | 2 | 163,2 | 405 | 2,8 | 16,7 | MAX140 | MAX120 | 3-6 |
ヤマガブランクス:ブルースナイパー
リニューアルから5年経った今でもロックショアを代表するロッドとして君臨しているブルースナイパー。
一言でいうと非常にハリがあるロッドです。
公式には「繊細かつ弾きにくいティップと絶対的なバットパワー」とありますが、この繊細っていうのが「しなやか」という意味ではなく感度や操作性という意味だと個人的には思います。
というのもティップも高弾性というかシャキッとしているからです。
なので大型魚とファイトのしやすさはあるけれども、繊細なルアーの操作に重きを置きたい方に合うロッドという印象です。
以下ラインナップの抜粋です。
型番 | 全長(ft.) | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | ジグウェイト(g) | プラグウェイト(g) | 適合ラインPE(号) | 最大ドラグ(kg) | 最大ドラグ角度(°) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
97MMH | 9.7 | 2,95 | 2 | 151,5 | 296 | MAX100 | MAX60 | MAX4 | 6 | 45 |
100MH | 10,0 | 3,07 | 2 | 157,5 | 307 | MAX120 | MAX80 | MAX4 | 6 | 45 |
106H/PS | 10,6 | 3.215 | 2 | 165,0 | 325 | MAX130 | MAX100 | MAX5 | 8 | 45 |
910H | 9.9 | 3.03 | 2 | 155,5 | 326 | MAX150 | MAX120 | MAX5 | 8 | 45 |
がまかつ:ラグゼ ショアゴリラR
出典:がまかつ
続いて紹介するのが21年に「がまかつ」から発売された「ラグゼ ショアゴリラR」です。
前作のバーサタイル系から大きく方向性が変わり、今作では以下のようなプラッキングに特化した調整がされています。
- 繊細なディップによる高い操作性
- 幅広いキャストウェイト
- 大型プラグもしっかり飛ばせる粘り
一方で「曲げて獲る」という「がまかつ」らしいコンセプトは健在で、非常にしなやかで粘り強いブランクスに仕上がっています。
これもトレカ®T1100Gやナノアロイカーボンが採用されたことによる恩恵ですが、ここまで柔と剛が備わったロッドはそうそうないんじゃないかと思うほどホント素晴らしいロッドだと思います。
ラグゼ公式チャンネル内で大川氏が本機のことを「釣り人に優しく 魚に厳しく」と表現されていたのが印象的です。
在庫が復活しても一瞬で消える人気っぷりで、とある関係者情報によると「ロックショアロッドで1倍売れている」ようです。
以下ラインナップです。(全2種)
型番 | 全長(ft.) | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | プラグウェイト(g) | 適合ラインPE(号) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
100XH | 10.0 | 3.05 | 2 | 157 | 322 | 50~150 | 4~6 |
100XXH | 10.0 | 3.05 | 2 | 157 | 328 | 70~200 | 5~8 |
ジャンプライズ:バックアッパー
出典:JUMPRIZE
バックアッパーはショア青物用のバーサタイルロッドです。
3シリーズがラインナップされており最もライトなⅡでも15㎏のヒラマサや30㎏のキハダをキャッチするなどパワフルなロッドです。
これらを可能にしたのがブランクス強度を重視したグリップ着脱式システムです。同ブランクスの2ピースと比較した場合、強度120%と圧倒的な強さです。
携行性やレングス重視の方には不向きですが、シビアなエリアで接近戦を強いられる場面や強引な抜き上げが必要な方には頼りになるロッドです。
以下ラインナップです。(上記の理由から3号クラスのロッドも掲載します)
型番 | 全長(ft.) | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | ジグウェイト(g) | プラグウェイト(g) | 適合ラインPE(号) | ドラグ(kg) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
95Ⅱ | 9.5 | 2.87 | – | 220 | 325 | MAX100 | 25~65 | 2~3 | Best:6 MAX:9 |
98Ⅲ | 9.8 | 2.95 | – | 224 | 347 | MAX150 | 30~80 | 2.5~4(MAX5) | Best:8 MAX:11 |
98Ⅳ | 9.8 | 2.95 | – | 224 | 363 | MAX180 | 30~100 | 3~5 | Best:10 MAX:13 |
パームス:サーフスター Jカスタム
最後にご紹介するのはパームスからリリースされている「サーフスターJカスタム」です。
強靭な粘りとトルク、スムーズな曲がりなどロックショアアングラーが理想とするブランクスが高次元で実現されています。
またキャスト時のトラブルを減らし、ブランクスのパワーを引き出すオリジナルガイドセッティングや魚の動きがダイレクトに伝わるコルクグリップの採用など随所に開発陣の熱い想いを感じ取ることができます。
大型青物を獲るためだけに昇華された本機は正に至高のロックショアロッドと言えるでしょう。
型番 | 全長(ft.) | 全長(m) | 継数(本) | 自重(g) | ルアーウェイト(g) | 適合ラインPE(号) | 最大ドラグ(kg) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
103X3H+ | 10.3 | 3.13 | 2 | 375 | 50~150 | 2~6 | 10 |
96X3H | 9.6 | 2.92 | 2 | 359 | 60~180 | 2.5~7 | 10 |
98X4H | 9.8 | 2.98 | 2 | 391 | 80~250 | 3~10 | 12 |
ロックショアロッドのおすすめ7選:まとめ
本記事では以下について解説しました。
- ロックショアでは専用ロッドが必要な理由
- ロックショアロッドを選ぶポイント
- おすすめのロックショアロッド7選
数あるロックショアロッドの中でもハイバランスなモデルを厳選して紹介しましたがいかがだったでしょうか。
シモリが点在したりオーバーハングがあるポイントでもスムーズなベンドと粘りあるロッドがあればキャッチする確率は大きく上がります。
ぜひ専用ロッドを手に夢の1本を獲っていただけたらと思います。
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