ロックショアやショアジギングでメータークラスを意識し始めるとスペーサーラインについて興味が湧くようになります。
しかし、色々調べてみても知りたい情報は意外に少なく、立ち往生している方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では私が試行錯誤しながらたどり着いたスペーサーラインシステムのすべてを紹介したいと思います。
- そもそもスペーサーとは
- スペーサーは2通りある
- おすすめのスペーサーライン
- スペーサーラインシステムの組み方
まだまだ粗削りな部分もあるかと思いますが、それでも足掛かりくらいにはなるはずです。
ぜひ最後までお付き合いください。
そもそもスペーサーとは
スペーサーとはキャスト時におけるライントラブルを低減するために使用するラインのことです。
大物とのファイトを想定し、対処しなければならないのは根ズレによるライブブレイク。
この対策をしようとすると必然的にリーダーは太く、そして長く取ることになります。
ところが、そうなると
- リーダーをスプールに巻き込む
- メインラインと段差(太さの違い)が大きくなる
という状態になります。
これだとキャスト時にリーダーが螺旋状に大きくバタつく上、※特性上メインラインがリーダーを追い越し易くなるため、あらゆるライントラブルを引き起こします。
そこで太さの違いによる段差を埋めるためにPEとリーダーの間にスペーサーラインを挟むわけです。
こうすることで根ズレ対策とトラブルレスが両立したシステムになります。
スペーサーは2通りある
さてこのスペーサーラインシステムですが、実は2通りのアプローチがあります。
- ロングリーダー+スペーサーPE
- ショートリーダー+耐摩耗スペーサー
それぞれのシステムと特徴についてみていきましょう。
ロングリーダー+スペーサーPE
最もスタンダードといいますか、スペーサーといえばこの形です。
根ズレ対策はリーダーが主で、スペーサーはライントラブルが起こらない最低限の長さを組み込みます。
セッティング
リーダーの長さは3ヒロ、場所によっては5~7ヒロとることもあります。
スペーサーの長さですが、リーダーがトップガイドを抜けるまでの間にメインラインが追い越さないようにすればいいわけですから竿1本分あれば十分です
スペーサーラインの号数についてはメインラインの倍が目安となります。
例えばメインPEが4号であればスペーサーPEは8号とすれば良いでしょう。
特徴
リーダーを長く取るため、ショック吸収が非常に高くなります。
よってバイト時の急速な反転や、強引に止めに掛かった時など少々の負荷では高切れすることはありません。
一方でキャスト時にリーダーがガイドやロッドにバチバチと当たるため、初速が落ち飛距離が伸びづらくなる傾向があります。
ショートリーダー+耐摩耗スペーサー
必要最低限のリーダーに、リーダーのような耐摩耗性をもったスペーサーを加えたシステムです。
セッティング
リーダーは1ヒロが基本で長くともスペーサーとの結び目がキャスト時にトップガイドから出る程度に留めます。
スペーサーPEには※アシストフックなどに使用される耐摩耗ラインを選択し、これを3~7ヒロほど組みます。
号数については先程と同様、メインラインの倍を目安とします。
特徴
リーダーのような高い耐摩耗性を持つのは当然ながら、PEラインのようなしなやかさもあるためスプールに巻き込んでもスムーズに放出されます。
ただ伸縮性がほぼゼロですからこのままソリッドリングを結ぶというわけにはいきません。
そこで少なくとも1ヒロほどショックリーダーを加えるわけです。
スタンダードなスペーサーラインシステムに比べてショック性能は劣るものの飛距離に分があるシステムと言えます。
「キャッチ率の高さ」「飛距離」「トラブルの無さ」のバランスが良く私もこちらを採用しています。
というわけで、後ほど詳しく紹介するのもこのシステムとなります。
おすすめのスペーサーライン
耐摩耗スペーサーとして使用するのは「YGK:アルゴンアシスト 3BRAID FC IN TYPE」です。
主にジグのアシストラインとして販売されている本製品ですが、前述の通りスペーサーPEとしても使えます。
号数のラインナップは以下の通りです。
号数 | 8 | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 |
---|---|---|---|---|---|---|
MAX LB | 100 | 120 | 140 | 180 | 220 | 260 |
ご覧の通り、引張強度が高く強引なファイトにおいても信頼できるラインと言えます。
スペーサーラインシステムの組み方
さてここから具体的な組み方について見ていきましょう。
とは言っても特に難しいことはなく以下2ステップで完了です。
- メインラインとアルゴンアシストを結束
- アルゴンアシストとショックリーダーを結束
順に解説していきます。
メインラインとアルゴンアシストを結束
まずはメインラインとアルゴンアシストを結束していきます。
結束方法は
- FGノット
- PRノット
などお好みで結構です。
アルゴンアシストは表面にザラつきがあるといいますか、凹凸があるのでノットの食い込みが良く、よほど変な結びをしない限りスッポ抜けたり強度が落ちることはありません。
次にアルゴンアシストを使用する長さについてですが、基本的には全部(6m)使用します。
初めはもったいない気がするかもしれませんが、早々と組み替えることはありませんからご安心ください。
コスパは思っている以上に良いです。(詳しくは後述)
アルゴンアシストとショックリーダーを結束
続いてアルゴンアシストとショックリーダーを結束していきます。
ただアルゴンアシストはそこそこ太く硬いため、普通のノットでは締め込み難易度が高くなってしまい安定しません。
そこで色々試した結果、レリックスノットが最も安定かつ強力に締まります。
ここの工程が本システムのキモとなる部分ですから是非マスターしていただきたいと思います。
詳しくは別記事を用意しておりますので後ほどご覧になってください。
関連記事:ショアジギング向きなリーダーの結び方
レリックスノットは結びコブが大きくなってしまうのがデメリットですが、このシステムではキャスト時にスペーサーとリーダーの結び目はトップガイドの外に出るため全く問題になりません。
そういった意味でも相性が良いノットと言えます。
スペーサーラインを使用する隠れたメリット
スペーサーラインを使用するメリットはライントラブルを激減させることだけではありません。
メインラインの劣化を大幅に抑えてくれます。
通常キャストする際には指でPEラインを抑えるため、摩擦で毛羽立ってしまいます。
しかしこの部分がアルゴンアシスト(リーダー)になることで劣化を防ぎます。
また先端から5m程のラインはルアー回収時に障害物などでダメージを負いやすいものですが、これらもアルゴンアシスト(リーダー)が受けてくれるためほぼメインPEが傷を負うことがなくなります。
結果ノットを組み直す手間も減り、スペーサーラインの消耗も抑えられます。
唯一気になるのは海水による劣化ですが、これも「PEコートスプレー」を噴いてやれば対処できます。
アルゴンアシストをしなやかにする効果もあるので本システムを組まれる場合は是非一度お試しください。
まとめ:根ズレに強くトラブルレスのシステムを組もう!
本記事ではスペーサーラインシステムについて解説してまいりましたがいかがだったでしょうか。
- スペーサーラインの必要性
- 各システムの特徴
- ラインシステムの組み方
- スペーサーラインを使用するメリット
初めは手間に感じることもあるかもしれませんが、ロックショアで大きな魚を獲るためには避けては通れません。
ぜひ本記事を参考にしながらスペーサーを取り入れてもらえたらと思います。
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